『秩父路そぞろある記』ー秩父往還を行く①ー

　まず初めに、秩父神社から三峰山神社まで歩くことに挑戦しました。実は、９０歳で他界した母からいつも聞かされていた話があります。母は戦争中、秩父高等女学校（現・秩父高校）の生徒でした。その時、学校の行事（‼）で秩父神社から三峰山神社まで歩いたそうです。「８時間くらいかかったけれど、○番でゴールしたよ」と言うのです。当時、未舗装の山道を女生徒たちの足で・・・にわかに信じがたいことでした。還暦もとうに過ぎた今、母の足跡を追ってみたくなったのです。

　朝６時、秩父神社の鳥居の奥に見える山々の向こう側までめざして出発です。迫りくる山々の懐に抱かれるように進む道はとても気持ちよく、２時間ほどで三峰口駅に到着しました。ここで休憩と食事をとります。そこからさらに１時間ほど国道号を１４０くと、大輪の一の鳥居に着きます。ここから国道を離れ、三峰山神社への山道に入ります。登ること９０分、無事に三峰山神社に到着しました。所要時間は４時間５０分、帰路は神社から西武秩父駅までのバスを利用しました。

歩いてみて思ったのは、当時の女学校は何のためにこんな（過酷な）行事をしたのかということでした（笑）。