NHKの人気番組「ブラタモリ」は、タモリさんが国内の様々な街の成り立ちを、専門家を交えて紹介する教養番組です。その中で「聖の隣りには、必ず俗あり」という名言(?)を残されました。京都の八坂神社の門前に祇園があるように、善男善女が詣でる寺社仏閣の隣りには、必ず”大人の遊び場”があるというのです。五街道が整備された江戸時代でも、寺社参拝が理由でないと庶民は自由に旅行などできませんでした。ですから、徒歩で何日もかけて参拝し、それが済んだ後はパッと羽を伸ばしたくなるのは・・・人情ですね(笑)。
祭りばかりではなく、絹糸の取引で近郷近在からたくさんの人々が集まる秩父にも花街がありました。夜祭で秩父神社から屋台の引き回しが通る東町(ひがしまち)通りの西側に下平(もとひら)通りという道があります。子どものころ、よく中町(なかまち)の今宮(いまみや)神社にザリガニ釣りに行きましたが、下平通りには平格子や出格子の家々が立ち並び、この付近が街中とは違う場所だと感じていました。近くに住む同級生も(子どものころ、よく三味線の音が聞こえた)と言ってい
たことを覚えています。現在は当時を思い起こさせるような家並みはあまりありませんが、道筋は変わりません。
秩父散策のとき、表通りを少し離れて「聖の隣りには、必ず俗あり」を体感できる路地を歩いてみてはいかがでしょうか。
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