豪華絢爛な屋台の引き回しと冬の夜空に咲く花火で知られる秩父夜祭りですが、この祭りは簡単に言うと「武甲山の男神と、秩父神社の女神(妙
見様)が、年に一度御旅所(おたびしょ)で逢引きをする祭り」です。祭りの意味するところは”子宝を願う”こと、すなわち五穀豊穣です。御旅所には神の依り代「亀の子石」があり、この背中に大幣を祭ることで儀式が完結します。私が子どものころは写真のような鳥居も社もなく石がむきだしでしたので、上っ
たりまたがったりして遊んでいました(ゴメンなさい)。
ところで、秩父神社から勇壮な秩父屋台囃子を鳴り響かせて6基の屋台が街を行く途中、番場町(ばんばちょう)のある場所にさしかかるとピタッとお囃子を休止します。なぜか?・・・・実は、この”ある場所”にはお諏訪様のお社があるのです(写真下)。そして、このお諏訪様は武甲山の男神の正室なのです(!)。つまり、妙見様は側室(‼)。おめかけさんがご主人に逢いに行くのですから、さすがに正妻の前はそ~っと通らなければ・・・という配慮です。このお話は冗談ではなく、秩父神社に納められている『秩父大宮妙見宮縁起』という古い書物に載るきちんとしたもの(?)です。秩父っ子は幼いころからこのようなアリガタイお話を聞いて大人になるのです(笑)。
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